1000年後も、生きた証を遺したい
ブロックチェーンには様々な可能性があることはもう世界の常識、周知の事実でしょう。
私たちもその無限の可能性に心踊らせ、未来に繋げていきたいと思っています。
ブロックチェーンはビットコインをはじめとする暗号資産などに活用され、世界ではすでに銀行システムの中に取り入れられるなど、金融のイメージが強いかもしれません。
なぜなら、ブロックチェーンには記録を永久的に残すことが可能だからです。
私たちは、このブロックチェーンの可能性を人々の生きた証として使用したいと思っています。
例えば、あなたや突然の病気や事故、災害に遭って自分の状況を話すことができない時にでも、静脈を使用してブロックチェーンにアクセスすることができれば、あなたの健康情報は瞬時に医療者や救助者に伝わります。
既往歴や服薬などをいちいち説明せずに、必要な治療を受けられるスピードが上がります。
それはつまり、その人の「今」を「未来」に繋げることができる可能性があるということです。
忘れもしない2011年3月11日。
私は新宿の古いビルで商談中でした。
大きな揺れを感じ、外に出ようとしましたが、古いビルの扉は開きません。
そのうち水道管は破裂。
商談相手の社長さんと一緒に黙ってソファに戻り、死を覚悟したことを覚えています。
そういう時、私もお相手の方も無感情でした。
死を実感した瞬間、人はこんな気持ちになるのかもしれない。
でも、自分のことを待っていてくれる家族のことが頭を離れません。
このビルが崩れたら、誰が自分のことを覚えていてくれるのだろう?
個人の情報を確実に正確に残すことの大切さを痛感した出来事でした。
幸い、揺れが止まった後にすぐさま扉に体当たりをして脱出し今がありますが、 ほんの短い時間であっても私に痛烈な感覚を教えてくれた瞬間でした。
人生で一番、ブロックチェーンを使って残したいもの、作りたいものがあります。
それは、ブロックチェーンとAIを組み合わせ、人間の最大の能力を引き出すことです。
ブロックチェーンはそもそも膨大な記憶をするという点では脳と同じです。
人間には、受精した瞬間から記憶が残っていると言われていますが、生存本能により意図的に古い記憶にはアクセスできないようになっていると言われています。
そして、今は新たな時代。AIの時代です。
AIはそれ自体には何も情報がありませんが、AIに学習をさせることで忘れることなく常に正しい統計や解析が使用できるようになります。
ブロックチェーンとAIを組み合わせることができれば、その「人」にブロックチェーンがアクセスし、最適な能力をAIが導き出して引き出してくれるようになるのではないか?と期待しているのです。
私は子どもが大好きです。
子どもたちの純粋さは、世界を変えることができる。
しかし、その純粋さだけでは残念なことに世の中を渡っていくことはできません。
しかし、その存在を正しくサポートしてくれるものがあれば、子どもたちは純粋さや自分らしさを残したまま、能力を最大限発揮できるようになるかもしれません。
「自分の先祖はこんなことをしたんだよ」
遠い子孫たちがブロックチェーン上に存在する私のことを誇りに思ってくれるようなものを後世に残したい。
私たちはそう願っています。